アカボウズハゼ
【沖縄本島の河川で撮影した アカボウズハゼ の水中写真】
豪雨に見舞われている土曜の沖縄本島。
風向きも潮の干満具合も丁度良いのだが、海も川もコンディションが悪すぎてさすがに無理。
まるで滝の下にいるような、台風の時のような降りっぷりだった。
アカボウズハゼ
写真は、すべて アカボウズハゼ 。
一時期は、フデハゼ(筆櫨)とも呼ばれていた事も。
現時点(2017年)で、環境省のレッドデータブック(レッドリスト)に記載されている絶滅危惧の恐れがあるとされている淡水ハゼである。
その危惧具合は結構進んでおり、71種の絶滅危惧IA類(CR)に指定されている。
絶滅危惧IA類とは、ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いものと定義されており、その次は絶滅がほぼ確定的な危機に瀕している種 → 自然下では絶滅 → 絶滅と並んでいるので、アカボウズハゼ は、かなり貴重な生物であると言える。
大きな河川には生息しておらず、渓流域の中でもやや薄暗い場所を好み、淵に単独で見られる事が多い。
アカボウズハゼ は雌雄で体色が異なっており、後半が朱色に染まっているのが雄。そうでないのが雌。
写真的には、雄が映えるのだが、その中でも次の4枚は求愛中の婚姻色で、顔が真っ黒になっている。
そして、以下2枚が アカボウズハゼ 雄 の通常時。
顔はシルバー色に戻っている様子がよく分かるかと思う。
そして、ここから下が アカボウズハゼ 雌。
同じく絶滅危惧種の カエルハゼ と似ているが、体側の前半部にも鱗がある事から、アカボウズハゼ 雌だという事がよく分かる。
次の4枚は、アカボウズハゼ♀の婚姻色。
この対面で♂が婚姻色になっていた。
自然界の求愛行動は面白いね。
そして最後の一枚は、アカボウズハゼ♀の通常色。
特徴がそれなりなので、ピントは勿論、全身の鱗がハッキリ見えるように撮影しないと、カエルハゼとの区別が難しいような・・・
アカボウズハゼ の外観特徴
・体側の鱗の後縁は暗色
・体側前半の鱗は疎らではない
・雄の体側後半は赤色で、3本の黒褐色横帯がある
・雌の体色は、一様に透明感のある淡黄色で、体側全体に鱗がある
アカボウズハゼ の分布
アカボウズハゼ は、種子島、屋久島、奄美大島、沖縄島、石垣島、西表島;台湾、インドネシア、ニューギニア島、フィリピン諸島、パラオ島、ニューカレドニアからの報告がある。
和名 : アカボウズハゼ ( スズキ目 / ハゼ亜目 / ハゼ科 / アカボウズハゼ属 )
学名 : Sicyopus zosterophorum
撮影場所 : 沖縄本島 東海岸側 河川
撮影水深 : -0.3m