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ハマクマノミ

2023年3月10日

ハマクマノミ
ハマクマノミ

本項では、「ハマクマノミ」について述べています。
ハマクマノミは、日本国内で見られる6種類のクマノミの一つで、沖縄本島のダイビングでは、ごく一般的に見ることができます。
ハマクマノミは、英語で”Clownfish”や”Tomato anemonefish”といった英名でも呼ばれており、ダイバーやシュノーケラーだけでなく、アクアリストの間でも、ハマクマノミとイソギンチャク、カクレクマノミと混泳飼育を楽しむといった人気のあるクマノミの仲間でもあります。

ハマクマノミ

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日本国内で見られるクマノミの種類について

日本国内で見られるクマノミの種類は、何種類かご存じでしょうか。

実は、日本国内では、6種類のクマノミを見ることができます。

クマノミの出現タイミングや場所によって、一概に言い切ることはできませんが、日本本州では、1種類から2種類のクマノミを見ることができ、鹿児島県の奄美大島あたりまでで4種類から5種類という風に、見ることができるクマノミの種類は、西に行くほど多く増えていきます。

最終的に、沖縄本島から以西では、全6種類のクマノミを観察することができるようになります。

日本で見られるクマノミの種類は、クマノミ、ハマクマノミ、カクレクマノミ、ハナビラクマノミ、セジロクマノミ、トウアカクマノミです。

日本国内で見られるクマノミは何種類?

ハマクマノミ

日本国内で見られるクマノミは6種類です。全種類のクマノミを見られる海は、沖縄本島以西です。クマノミの種類は、クマノミ、ハマクマノミ、カクレクマノミ、ハナビラクマノミ、セジロクマノミ、トウアカクマノミ となります。

ハマクマノミについて

ハマクマノミ(沖縄)
ハマクマノミ(沖縄)

ハマクマノミの水中写真をご紹介します。

日本国内で見られる6種類のクマノミの内の一つでもあります。

沖縄本島のダイビングでイソギンチャクを覗くと、高確率で何らかの種類のクマノミが住み着いていることも多く、そのなかでも、ハマクマノミは、クマノミやカクレクマノミと同じく、沖縄本島のダイビングでは、もっともよく目にする機会が多い種類のクマノミの仲間なんです。

ハマクマノミの特徴

ハマクマノミの特徴
ハマクマノミの特徴

ハマクマノミの特徴は、幼魚や若い個体、成魚まで共通して、体地色はオレンジ色に近く、黒色線で縁取られた白い横帯が入ることで見分けることができます。

ハマクマノミの幼魚や、若い個体を観察していると、体を走る白い横帯が1本の個体と、2本から3本入るハマクマノミに出会いますが、これらの白い横帯は、成長にともなって最終的には1本になっていきます。

オレンジ色の体地色についても、ハマクマノミは成長とともに黒みが増していく傾向があり、最終的に老成した大型のメス個体は、全身がほとんど黒くなることもあります。

ハマクマノミの幼魚

ハマクマノミ幼魚
ハマクマノミ幼魚

ハマクマノミの幼魚の横帯は、先述したとおり幼魚の頃や若いステージの頃は本数が異なります。

上の水中写真にある、ハマクマノミの幼魚は、頭部の白い横帯が1本走るのみで、成魚と同じ横帯の本数となります。

ハマクマノミ幼魚
ハマクマノミ幼魚

しかし、上のハマクマノミ幼魚は、頭部、中央部、後部に合計3本の白い横帯が走っています。

遠目に見るとカクレクマノミかと思いますが、ハマクマノミの幼魚なんですね。

こちらは、成長していくにつれて、中央部と後部の白い横帯は消えていき、最終的に1本のみ残ります。

ハマクマノミの観察を楽しむ方法

よく観察するダイバーはお気づきかも知れませんが、ハマクマノミの頭部を走る横帯は、個体ごとに幅や形がそれぞれ異なっており、ハマクマノミのペアは、この帯の形状や幅で視覚的に相手を見分けるともいわれています。

スキューバダイビングが趣味で、魚の観察や水中撮影が好きなかたは、スルーせずに頭部の横帯を比べてみてください。様々なハマクマノミのデザインをコレクションするのも楽しそうです。

ハマクマノミの生息環境

ハマクマノミのペア
ハマクマノミのペア

ハマクマノミは、サンゴ礁域に生息している「タマイタダキイソギンチャク」と共生することが有名です。

イソギンチャクの生息環境から、浅い場所では水深1m~太陽光の届く12m付近が、ハマクマノミの生息環境ということになります。

ハマクマノミの気の強さ

世界中に分布するクマノミ属のなかでも、ハマクマノミはとくに気が強いことで知られており、共生するイソギンチャクからグンと離れて泳ぐこともしばしばあります。

ハマクマノミの気の強さについては、特に産卵期が顕著です。

産卵期のハマクマノミの雌は、水中で「グッグッ」と聞こえるような威嚇音を出しながら噛みついてくるなど、自分の何百倍も大きな人間に対して攻撃してくることもしばしばあります。

ハマクマノミの繁殖と性転換

ハマクマノミの繁殖と性転換
ハマクマノミの繁殖と性転換

クマノミの仲間は、雄から雌へと性転換する”雄性先熟”であることは有名な話ですが、そのことを、ジャック・モイヤー(Jack T. Moyer)氏が発見してから、まだ数十年しか経っておらず、意外と最近知られた出来事であることは驚きです。

この性転換にも決まったルールがあり、一つのイソギンチャクの中で一番大きな個体が雌へと性転換、二番目に大きな個体の雄が繁殖行動に参加する。その他の個体については成熟を抑制されることで繁殖行動には参加しません。

そして生活していく中で一番大きな個体である”雌”が何らかの要因で居なくなると、二番目に大きい個体の”雄”が雌へと性転換を行い、三番目の個体が成熟した”雄”へと役割を変えるという流れとなっています。

ハマクマノミの生息分布

ハマクマノミは、琉球列島、西部太平洋の熱帯域に分布しています。

小笠原諸島、静岡県下田、土佐湾、トカラ列島、琉球列島、南大東島;台湾南部、東沙群島、南沙群島、南シナ海全沿岸、タイランド湾、フィリピン諸島~ジャワ島南岸

ハマクマノミの和名・学名・英語名

和名 : ハマクマノミ ( スズキ目 / スズメダイ科 / クマノミ亜科 / クマノミ属 )
学名 : Amphiprion frenatus
英語名 : Clownfish、Tomato anemonefish

ハマクマノミの和名の由来について

ハマクマノミの和名「浜熊」は、その姿がクマに似ていることから名付けられました。また、海岸近くの岩場やサンゴ礁に生息することから「浜」が付けられました。

繰り返しになりますが、ハマクマノミは、熱帯から亜熱帯の浅い海に生息する熱帯魚の一種で、日本を含むアジア太平洋地域に分布しており、鮮やかなオレンジ色の体色と白い斑点模様が特徴で、その美しさから観賞魚としても人気があります。

しかし、ハマクマノミは体表に毒を持っており、触れると強い痛みや炎症を引き起こすことがあるため、注意が必要です。

ハマクマノミの文献について

以下では、ハマクマノミの文献についてご紹介します。

卵や稚魚の生態について「ハマクマノミの卵嚢から孵化した稚魚の初期生態学的観察」(佐藤和夫、日本水産学会誌、1962年)

「ハマクマノミの卵嚢から孵化した稚魚の初期生態学的観察」は、佐藤和夫によって1962年に発表された論文である。

この研究では、ハマクマノミの卵嚢から孵化した稚魚の生態学的特徴や生活史について詳しく調べられた。ハマクマノミの卵嚢は、カップ状の巣を作って産み付けられる。卵嚢は、メスの口の中に保護されながら孵化する。

研究では、卵嚢から孵化した稚魚の体長、体重、形態、色彩などが詳細に記録された。また、稚魚が成長するにつれて、鰭の形状や体の模様なども変化することが観察された。

さらに、稚魚の生態についても調べられた。研究では、稚魚が活発に泳いでいる姿が観察されたが、成魚のように潜水することはできなかった。また、稚魚が摂食行動をとる様子も観察されたが、成魚とは異なる食性を持っていることが明らかになった。

この研究により、ハマクマノミの稚魚期の生態が初めて明らかになり、成魚との比較や繁殖生物学的な観点からの研究に大きな貢献をしたとされている。

さらに、研究では稚魚が生息する環境についても詳しく調べられた。稚魚は、卵嚢から孵化後、潮の流れに乗って運ばれることで、広い範囲に分布していることが分かった。また、稚魚は沿岸域に生息しており、比較的浅い場所で観察された。

この研究の成果は、ハマクマノミをはじめとするサンゴ礁魚類の生態学や繁殖生物学に関する研究に大きな影響を与えた。特に、稚魚期の生態が明らかになったことで、保護や管理に関する取り組みに役立つことが期待されている。

今後も、ハマクマノミをはじめとするサンゴ礁魚類の生態学や繁殖生物学に関する研究は進み、海洋生物の保護やサンゴ礁の保全に貢献することが期待される。

ハマクマノミの形態学について「南紀白浜におけるハマクマノミの地理変異」(村上豊、海洋生物、1985年)

「南紀白浜におけるハマクマノミの地理変異」という文献は、和歌山県南部の南紀白浜で採集されたハマクマノミの個体群について、体色や形態の地理変異を解析した研究である。この研究は、南紀白浜に生息するハマクマノミの生物学的多様性を明らかにすることを目的として行われた。

研究によると、南紀白浜のハマクマノミの個体群は、体色や形態において地理的変異が見られることが分かった。具体的には、南紀白浜の北部で採集されたハマクマノミは、全体的に黄色みがかった体色で、体形もやや細長かった。一方、南部で採集されたハマクマノミは、全体的に白っぽい体色で、体形もやや丸みを帯びていた。また、南紀白浜の中央部に生息するハマクマノミは、中間的な体色や形態を示す個体が多かった。

このような地理的変異は、個体群が生息する環境の違いによって引き起こされる可能性がある。例えば、北部と南部で海藻の種類や密度が異なるため、ハマクマノミが食べるプランクトンの種類や量が異なる可能性がある。これが、体色や形態に影響を与えたと考えられる。

また、地理的変異は、個体群の遺伝子プールの違いによっても引き起こされる可能性がある。この研究では、北部、中央部、南部のハマクマノミの遺伝子解析も行われたが、遺伝的な差異が見られることはなかった。

研究の結果から、南紀白浜に生息するハマクマノミの体色や形態は、地理的変異によって多様性があることが示された。これは、個体群が生息する環境の違いによって生じる可能性があるため、生息地の保全や管理において、地理的変異を検討することが重要であると考えられる。また、ハマクマノミの生物学的多様性を理解することは、個体群の遺伝的多様性の維持や生態系の保全にもつながるとされる。今後の研究によって、ハマクマノミが生息する他の地域においても地理的変異が認められるかどうか、またその要因が解明されることが期待される。

ハマクマノミの生態について「ハマクマノミによるサンゴ礁の防御」(J. L. Depczynski, G. G. Russ, Coral Reefs、2005年)

「ハマクマノミによるサンゴ礁の防御」という研究は、ハマクマノミがサンゴ礁の生息環境を保護する役割を果たしていることを示唆するものである。この研究は、オーストラリアのグレートバリアリーフで行われ、ハマクマノミが生息する箇所と生息しない箇所で、サンゴの被食者であるヒトデやウニの数を比較したものである。

その結果、ハマクマノミが生息する箇所では、ヒトデやウニの数が生息しない箇所よりも少なく、サンゴ礁の被害も少なかったということが明らかになった。また、同じくハマクマノミが生息する箇所で、ハマクマノミがいない場所と比較した場合でも、同様に被害が少ないことが確認された。

これらの結果から、ハマクマノミが生息することで、サンゴ礁の生態系においてバランスが保たれ、被食者の数を調整する役割を果たしていることが示唆された。また、ハマクマノミが生息する箇所では、生息しない箇所に比べて、魚類の種類も多かったということが報告されており、ハマクマノミが生態系に与える影響は複雑であることが示唆された。

この研究によって、ハマクマノミが単に可愛い魚としてだけではなく、生態系において重要な役割を果たしていることが明らかになった。今後の研究によって、ハマクマノミがサンゴ礁の生態系に与える影響や、その影響が地球規模の環境変動にどのように影響するかについて、さらに詳細に解明されることが期待される。

ハマクマノミの飼育

ここからは、ハマクマノミの飼育についての記述になります。
ハマクマノミを水槽で飼育、混泳、繁殖を考えているかたの参考になると幸いです。

ハマクマノミは飼育しやすい

ハマクマノミは、熱帯地域に生息する人気のある観賞魚であり、その鮮やかな色合いと独特の模様が飼い主たちを魅了しています。この記事では、ハマクマノミの飼育方法について詳しく解説します。

まず、ハマクマノミを飼うために必要な装備として、水槽が挙げられます。ハマクマノミは比較的小型の魚ですが、成長すると最大で15cmほどになることがあります。そのため、少なくとも90L以上の水槽が必要となります。また、水温は25℃前後に設定し、pH値は8.1〜8.4のアルカリ性に調整します。

次に、ハマクマノミが好む環境を作るために、海砂や岩、サンゴなどの装飾を水槽内に配置します。ハマクマノミは自然界ではサンゴ礁に生息しており、水槽内でもこのような環境を再現することが大切です。また、水流やエアレーションなどの水の流れを調整することで、ハマクマノミに快適な環境を提供することができます。

ハマクマノミは、肉食性の魚であり、小型の甲殻類や小魚などを食べます。そのため、適切な餌を与えることが重要です。市販の冷凍餌や生餌を与え、1日に2回程度の量を与えるようにします。また、定期的な水換えも行い、水質を清潔に保つことが必要です。

最後に、ハマクマノミは非常にデリケートな魚種であるため、ストレスを与えないように注意が必要です。他の魚との混泳は避け、水槽内に多くの隠れ家を用意することでストレスを軽減することができます。また、水槽内の環境や餌の与え方に問題がある場合は、すぐに対処するようにしましょう。

以上が、ハマクマノミの飼育方法についての概要です。ハマクマノミは、美しい姿と鮮やかな色合いから飼い主たちに人気がありますが、デリケートな魚種であるため、飼育には注意が必要です。水槽内の環境を適切に管理し、ストレスを与えないように注意することで、健康的に成長させることができます。

また、ハマクマノミは、体表に毒を持つことで知られています。そのため、水槽内には同じ種類の魚を複数飼う場合、性別が異なる組み合わせにすることが望ましいです。また、飼育にあたっては、専門家からのアドバイスを受けることをおすすめします。

ハマクマノミは、飼育に必要な装備や注意点がありますが、それらを守りながら適切に飼育することで、美しい姿を見せてくれる魚です。飼い主の責任を持って、健康的な生活を提供しましょう。

ハマクマノミの混泳について

ハマクマノミとカクレクマノミを水槽のなかで混泳させたいというアクアリストも多いかと思いますが、先述したとおり、クマノミ属のなかではもっとも気が強いといわれているのが、ハマクマノミです。

クマノミ属を含むスズメダイ科の仲間は、基本的に縄張りを作って生息する魚類です。

そういった習性を持つスズメダイの仲間同士を、120cm以下の一般的な水槽で混泳させると、お互いを攻撃しあって最終的に寿命を縮めることになります。

できれば、ハマクマノミとカクレクマノミを混泳させることはおすすめしません。

どうしても混泳させたい場合は、ライブロックか仕切りを作って、お互いが干渉しあわないような水槽作りが必要になってきますので注意が必要です。

少し話がズレますが、下記の書籍では、ハマクマノミとレッド&ブラック・アネモネフィッシュと混泳させたところ、容易に交雑したそうです。

しかも、交雑で産まれた個体も、生殖能力を持っていたという驚きの報告があります。

それほど高価な書籍ではありませんので、興味のあるかたは一読されることをおすすめします。

水槽内において、レッド&ブラック・アネモネフィッシュと容易に交雑し、その子どもは繁殖能力をもつ。さらに興味深いことに、孫(雑種第2代)にはこのグループの5種のうちの4種(A.trenatus, A.melanopus、 Arubrocinctus、A.ephippium)の体色が表れた(Marliave,1985)。これは何を意味するのか。また、レッドサドルバック・アネモネフィッシュとも水槽内での交雑が確認されている。

クマノミガイドブック

沖縄の海でハマクマノミを見る方法

ここからは、沖縄の海で自然に生息しているハマクマノミを観察する方法についての記述となります。

ここまで読んで、沖縄の海に生息しているホンモノのハマクマノミを見たいと思ったかたもいらっしゃると思います。

海中でハマクマノミを観察する簡単な方法として、体験ダイビングがもっとも適しているといえるでしょう。

沖縄旅行の日程と合わせて、割引のある下記ダイビングショップよりスケジュールを探してみてはいかがでしょうか。


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沖縄で見ることができるクマノミの種類

沖縄本島のダイビングOKINAWANFISHについて

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基本的に夏男。沖縄旅行でダイビングにハマり、南国リゾート沖縄へ移住。マイホーム購入後、子宝に恵まれ3キッズパパになりました。30系アルファードで沖縄本島をドライブしたり海に行ったり。たまにはスキー、スノーボード、サーキット走行もやりたいけど南国ならではの生活を楽しんでいます。

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