ハマクマノミ

本項では、「ハマクマノミ」について述べています。
ハマクマノミは、日本国内で見られる6種類のクマノミの一つで、沖縄本島のダイビングでは、ごく一般的に見ることができます。
ハマクマノミは、英語で”Clownfish”や”Tomato anemonefish”といった英名でも呼ばれており、ダイバーやシュノーケラーだけでなく、アクアリストの間でも、ハマクマノミとイソギンチャク、カクレクマノミと混泳飼育を楽しむといった人気のあるクマノミの仲間でもあります。
ハマクマノミ
日本国内で見られるクマノミの種類について
日本国内で見られるクマノミの種類は、何種類かご存じでしょうか。
実は、日本国内では、6種類のクマノミを見ることができます。
クマノミの出現タイミングや場所によって、一概に言い切ることはできませんが、日本本州では、1種類から2種類のクマノミを見ることができ、鹿児島県の奄美大島あたりまでで4種類から5種類という風に、見ることができるクマノミの種類は、西に行くほど多く増えていきます。
最終的に、沖縄本島から以西では、全6種類のクマノミを観察することができるようになります。
日本で見られるクマノミの種類は、クマノミ、ハマクマノミ、カクレクマノミ、ハナビラクマノミ、セジロクマノミ、トウアカクマノミです。
日本国内で見られるクマノミは何種類?

日本国内で見られるクマノミは6種類です。全種類のクマノミを見られる海は、沖縄本島以西です。クマノミの種類は、クマノミ、ハマクマノミ、カクレクマノミ、ハナビラクマノミ、セジロクマノミ、トウアカクマノミ となります。
ハマクマノミについて

ハマクマノミの水中写真をご紹介します。
日本国内で見られる6種類のクマノミの内の一つでもあります。
沖縄本島のダイビングでイソギンチャクを覗くと、高確率で何らかの種類のクマノミが住み着いていることも多く、そのなかでも、ハマクマノミは、クマノミやカクレクマノミと同じく、沖縄本島のダイビングでは、もっともよく目にする機会が多い種類のクマノミの仲間なんです。
ハマクマノミの特徴

ハマクマノミの特徴は、幼魚や若い個体、成魚まで共通して、体地色はオレンジ色に近く、黒色線で縁取られた白い横帯が入ることで見分けることができます。
ハマクマノミの幼魚や、若い個体を観察していると、体を走る白い横帯が1本の個体と、2本から3本入るハマクマノミに出会いますが、これらの白い横帯は、成長にともなって最終的には1本になっていきます。
オレンジ色の体地色についても、ハマクマノミは成長とともに黒みが増していく傾向があり、最終的に老成した大型のメス個体は、全身がほとんど黒くなることもあります。
ハマクマノミの幼魚

ハマクマノミの幼魚の横帯は、先述したとおり幼魚の頃や若いステージの頃は本数が異なります。
上の水中写真にある、ハマクマノミの幼魚は、頭部の白い横帯が1本走るのみで、成魚と同じ横帯の本数となります。

しかし、上のハマクマノミ幼魚は、頭部、中央部、後部に合計3本の白い横帯が走っています。
遠目に見るとカクレクマノミかと思いますが、ハマクマノミの幼魚なんですね。
こちらは、成長していくにつれて、中央部と後部の白い横帯は消えていき、最終的に1本のみ残ります。
ハマクマノミの観察を楽しむ方法


よく観察するダイバーはお気づきかも知れませんが、ハマクマノミの頭部を走る横帯は、個体ごとに幅や形がそれぞれ異なっており、ハマクマノミのペアは、この帯の形状や幅で視覚的に相手を見分けるともいわれています。
スキューバダイビングが趣味で、魚の観察や水中撮影が好きなかたは、スルーせずに頭部の横帯を比べてみてください。様々なハマクマノミのデザインをコレクションするのも楽しそうです。
ハマクマノミの生息環境

ハマクマノミは、サンゴ礁域に生息している「タマイタダキイソギンチャク」と共生することが有名です。
イソギンチャクの生息環境から、浅い場所では水深1m~太陽光の届く12m付近が、ハマクマノミの生息環境ということになります。
ハマクマノミの気の強さ
世界中に分布するクマノミ属のなかでも、ハマクマノミはとくに気が強いことで知られており、共生するイソギンチャクからグンと離れて泳ぐこともしばしばあります。
ハマクマノミの気の強さについては、特に産卵期が顕著です。
産卵期のハマクマノミの雌は、水中で「グッグッ」と聞こえるような威嚇音を出しながら噛みついてくるなど、自分の何百倍も大きな人間に対して攻撃してくることもしばしばあります。
ハマクマノミの繁殖と性転換

クマノミの仲間は、雄から雌へと性転換する”雄性先熟”であることは有名な話ですが、そのことを、ジャック・モイヤー(Jack T. Moyer)氏が発見してから、まだ数十年しか経っておらず、意外と最近知られた出来事であることは驚きです。
この性転換にも決まったルールがあり、一つのイソギンチャクの中で一番大きな個体が雌へと性転換、二番目に大きな個体の雄が繁殖行動に参加する。その他の個体については成熟を抑制されることで繁殖行動には参加しません。
そして生活していく中で一番大きな個体である”雌”が何らかの要因で居なくなると、二番目に大きい個体の”雄”が雌へと性転換を行い、三番目の個体が成熟した”雄”へと役割を変えるという流れとなっています。
ハマクマノミの生息分布
ハマクマノミは、琉球列島、西部太平洋の熱帯域に分布しています。
小笠原諸島、静岡県下田、土佐湾、トカラ列島、琉球列島、南大東島;台湾南部、東沙群島、南沙群島、南シナ海全沿岸、タイランド湾、フィリピン諸島~ジャワ島南岸
ハマクマノミの和名・学名・英語名
和名 : ハマクマノミ ( スズキ目 / スズメダイ科 / クマノミ亜科 / クマノミ属 )
学名 : Amphiprion frenatus
英語名 : Clownfish、Tomato anemonefish
ハマクマノミの飼育
ここからは、ハマクマノミの飼育についての記述になります。
ハマクマノミを水槽で飼育、混泳、繁殖を考えているかたの参考になると幸いです。
ハマクマノミは飼育しやすい
ハマクマノミ、特に幼魚はカクレクマノミに続いて、アクアリストから大変人気のある観賞魚です。
ハマクマノミの混泳について
ハマクマノミとカクレクマノミを水槽のなかで混泳させたいというアクアリストも多いかと思いますが、先述したとおり、クマノミ属のなかではもっとも気が強いといわれているのが、ハマクマノミです。
クマノミ属を含むスズメダイ科の仲間は、基本的に縄張りを作って生息する魚類です。
そういった習性を持つスズメダイの仲間同士を、120cm以下の一般的な水槽で混泳させると、お互いを攻撃しあって最終的に寿命を縮めることになります。
できれば、ハマクマノミとカクレクマノミを混泳させることはおすすめしません。
どうしても混泳させたい場合は、ライブロックか仕切りを作って、お互いが干渉しあわないような水槽作りが必要になってきますので注意が必要です。
少し話がズレますが、下記の書籍では、ハマクマノミとレッド&ブラック・アネモネフィッシュと混泳させたところ、容易に交雑したそうです。
しかも、交雑で産まれた個体も、生殖能力を持っていたという驚きの報告があります。
それほど高価な書籍ではありませんので、興味のあるかたは一読されることをおすすめします。
水槽内において、レッド&ブラック・アネモネフィッシュと容易に交雑し、その子どもは繁殖能力をもつ。さらに興味深いことに、孫(雑種第2代)にはこのグループの5種のうちの4種(A.trenatus, A.melanopus、 Arubrocinctus、A.ephippium)の体色が表れた(Marliave,1985)。これは何を意味するのか。また、レッドサドルバック・アネモネフィッシュとも水槽内での交雑が確認されている。
クマノミガイドブック
沖縄の海でハマクマノミを見る方法
ここからは、沖縄の海で自然に生息しているハマクマノミを観察する方法についての記述となります。
ここまで読んで、沖縄の海に生息しているホンモノのハマクマノミを見たいと思ったかたもいらっしゃると思います。
海中でハマクマノミを観察する簡単な方法として、体験ダイビングがもっとも適しているといえるでしょう。
沖縄旅行の日程と合わせて、割引のある下記ダイビングショップよりスケジュールを探してみてはいかがでしょうか。

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