スマホのテザリングとポケットWiFiどっちが安い?併用のメリットとデメリット
スマホのテザリングとポケットWiFiの違い
最初に デザリングとテザリングどっちが正しい?
本題へ行く前に、「テザリング」について、正しい名称を理解しておきましょう。
「デザリング」とか「ディザリング」呼ぶ方を見かけますが、正しくは「テザリング」です。
テザリングとは、WiFi(ワイファイ)環境のない状況でパソコンを使いたいときなどに、スマホが使う通信回線(4Gや5G)を利用してインターネットへの接続を共有する機能のことを指します。
スマートフォンをWiFiルーターにして、パソコンからはスマートフォンへWi-Fi接続を、スマートフォンからインターネットへは、4Gや5G回線を使うことで、パソコンからインターネットへの接続が可能になるという便利な機能といえます。
但し、テザリングを使用している間、スマホ自身はWi-Fiへ繋ぐことはできず、docomoやau、softbankと契約しているプラン内での4G回線や5G回線を使うため注意が必要です。
テザリングは、英語で ”tethering” と書き、縄や鎖でつなぎとめることを意味します。
だから、テザリング接続でインターネット共有をしたときに、スマホに鎖のアイコンが表示されるのかも知れませんね。
では、ここから本題に移りたいと思います。
スマホのテザリングはポケットWiFi代わりになるのか
ほとんどの方が、iPhoneやAndroidなどスマートフォンを持っている時代ですが、インターネットを共有できるテザリングがあるのであれば、スマートフォンひとつでポケットWiFiの代わりになるのではないか?と気になる方も多いと思います。
私自身も、「スマートフォンがあれば、ポケットWiFiの代わりになるのではないか」正直どちらが良いのか、メリットとデメリットで悩んだ時期がありましたので、本項ではその点に着目して検証していきたいと思います。
docomo、au、Softbank各社スマホのテザリングを比較
テザリングは、携帯各社のスマホにインターネット共有機能として備わっています。
まずは、ベースとなる基本情報をdocomo、au、softbank別に最もギガ容量の大きいプランを見ながら整理していきたいと思います。
テザリングを利用するための申込ですが、docomoの場合は、別途の申込や別途料金なども不要で、テザリングを活用してパソコンをインターネットに接続することができます。
au、Softbankは別途の申込が必要ですが、docomoと同じくテザリングをすることができます。
次に通信量ですが、テザリングで利用できる通信量は、docomo、au、softbankともに、利用中のプランによって異なってきます。
例えば、docomoで「5Gギガホプラン」を利用している場合のみ、月間の利用可能データ量も無制限となりますが、その他のプランでは通信料は無制限とはならず、使用できる通信量には上限が設けられています。
同じように、auにも「使い放題MAX5G/4Gプラン」、Softbankでは「メリハリ無制限プラン」というものがありますが、そもそもテザリングで使用できる月間使用量は無制限とはならず、最大30GBまでという制限があります。
各社のテザリングを、分かりやすく表にまとめると、下記のようになります。
通信会社 | プラン名 | プラン月額 | テザリング 申込 | テザリング 月額料金 | 利用可能 データ量 |
---|---|---|---|---|---|
docomo | 5Gギガホプラン | 月額7,315円(税込) | 不要 | 無料 | 無制限 |
au | 使い放題MAX 5G 使い放題MAX 4G | 月額7,238円(税込) | 必要 | 無料 | 30GB |
Softbank | メリハリ無制限 | 月額7,238円(税込) | 必要 | 無料 | 30GB |
ここまでで、docomo、au、softbankのテザリングに関する情報が分かりましたね。
では、テザリングとポケットWiFiどちらが、どれほど回線速度が速いのかについて検証してみました。
テザリングとポケットWiFiどっちが速いのか速度を比較してみた
テザリングとポケットWiFiどっちが速いのか速度を比較してみた
スマホにテザリング機能があるのであれば、ポケットWiFiの代わりになりそうだし、それでいいんじゃないか?冒頭にも書いたとおり悩みましたが、テザリングとポケットWiFiの通信回線速度や、スマートフォンから無駄なプランを取り除き、スマホとポケットWiFiと併用した場合の合計支払金額も気になりましたので、まずはインターネット通信回線速度を比較してみました。
ポケットWiFiは、「ポケットWiFiおすすめランキング1位」で紹介した、とくとくBB WiMAX2+ で比較しています。
結論から先に申し上げます。
通信速度は、テザリングよりポケットWi-Fiのほうが圧倒的に速いです。
ポケットWiFiは、通信ルーター専用機器なので、通信速度が速いというのは当たり前といえば当たり前なのですが、下表のとおり、スマホのテザリングとポケットWiFiでは、ポケットWiFiに大きく分があることが分かりました。
ちなみに、通信速度の計測テストを行った私の自宅は、街中の立地の良い中心地にありますので、WiFiの回線状況はとても良く、市街地における回線速度のテストには最適の場所です。
比較する条件ができるだけ平等になるよう、同じ日時・場所・同じ測定サイト・同じ機器で回線速度の測定テストを行いましたが、ポケットWiFiルーターは、テザリングのおよそ6倍速い通信速度が出ていることが分かりました。
ちなみに測定サイトは、「インターネット回線の速度テスト | Fast.com」を利用、パソコンとの通信はWi-Fi接続で測定しました。Bluetooth接続やUSB接続は行っていません。
参考データとして、自宅のフレッツ光プレミアムの数値も載せておきますね。
テスト回線 | 回線速度(実測値) ※5回計測の平均値 |
---|---|
au 4G LTE テザリング | 10.0Mbps |
とくとくBB WiMAX2+ | 58.0Mbps |
フレッツ光プレミアム | 93.0Mbps |
回線速度の速い順は、
フレッツ光 ≧ ポケットWiFi ≧ テザリング という図式です。
実際に、テザリングを使ってインターネットに接続したり、ブラウザや何かしらのアプリを経由してお仕事をされた経験のある方は、少なからず体験したことがあるかと思いますが、アクションを起こしたあとの反応が帰ってくるまでに、テザリングの場合はワンテンポ遅いですよね。
あれが、まさにテザリングの遅さ、デメリットだといえます。
これらの通信速度テスト結果から、ドコモ、au、ソフトバンクなど携帯各社のテザリング機能は、あくまでも緊急用の通信手段か、或いはオマケ程度であり、常用するのは厳しいと考えておいたほうが良いかも知れませんね。
テザリングとポケットWiFiどっちが安い?
テザリングとポケットWiFiどっちが安い?
次に、スマートフォンとポケットWiFiを併用した際の費用を比較してみました。
結果からいうと、スマホとポケットWiFiをセットで併用したほうが安くなりました。
携帯会社と契約する場合、契約時のプラン選択がこれから先の月額料金を大きく左右しますが、ポケットWiFiがあれば、スマートフォンに関する携帯会社との契約は、一番安いミニマムプランにプラン変更をする。或いはら格安スマホや、格安SIMで充分です。
下表のとおり、ahamoはそれほど月額料金が下がると思えませんが、LINEMOあたりになると、月々の携帯料金を半額近くまで安く抑えることができます。
また、月額料金が携帯電話単体の契約時と同水準になったとしても、ポケットWiFiのほうが通信速度が速いので、ポケットWiFiを選択する価値は充分にあるといえるでしょう。
KDDIとソフトバンクが、「デュアルSIM」を開始しますが、携帯電話会社の通信トラブルが頻発するとはいえないので、格安スマホの電話かけ放題プラン+ポケットWiFiさえあれば、緊急時にも充分に対応できるかと思います。
docomoのテザリングとポケットWiFiを比較
通信会社 | プラン名 | プラン月額 (税込) | 利用可能 データ量 |
---|---|---|---|
docomo | 5Gギガホプラン | 7,315円 | 無制限 |
ahamo + ポケットWiFi | ノーマルプラン + ギガWiFi | 2,970円 + 2,695円 5,665円 | 20GB + 100GB |
ahamo + ポケットWIFI | ノーマルプラン + とくとくBB WiMAX2+ | 2,970円 + 3,784円 6,754円 | 20GB + 無制限 |
auのテザリングとポケットWiFiを比較
通信会社 | プラン名 | プラン月額 (税込) | 利用可能 データ量 |
---|---|---|---|
au | 使い放題MAX 5G/4G | 7,238円 | 30GB |
UQ mobile + ポケットWiFi | くりこしプランS + ギガWiFi | 1,628円 + 2,695円 4,323円 | 3GB + 100GB |
UQ mobile + ポケットWiFi | くりこしプランS + とくとくBB WiMAX2+ | 1,628円 + 3,784円 5,412円 | 3GB + 無制限 |
povo + ポケットWiFi | 基本プラン + ギガWiFi | 0円 + 2,695円 2,695円 | 0GB + 100GB |
povo + ポケットWiFi | 基本プラン + とくとくBB WiMAX2+ | 0円 + 3,784円 3,784円 | 0GB + 無制限 |
SoftbankのテザリングとポケットWiFiを比較
通信会社 | プラン名 | プラン月額 (税込) | 利用可能 データ量 |
---|---|---|---|
Softbank | メリハリ無制限 | 7,238円 | 30GB |
LINEMO + ポケットWiFi | ミニプラン + ギガWiFi | 990円 + 2,695円 3,685円 | 3GB + 100GB |
LINEMO + ポケットWiFi | ミニプラン + とくとくBB WiMAX2+ | 990円 + 3,784円 4,774円 | 3GB + 無制限 |
ワイモバイル + ポケットWiFi | Sプラン + ギガWiFi | 2,178円 + 2,695円 4,873円 | 3GB + 100GB |
ワイモバイル + ポケットWiFi | Sプラン + とくとくBB WiMAX2+ | 2,178円 + 3,784円 5,962円 | 3GB + 無制限 |
MVNOサービスのテザリングとポケットWiFiを比較
通信会社 | プラン名 | プラン月額 (税込) | 利用可能 データ量 |
---|---|---|---|
mineo + ポケットWiFi | ライトプラン + ギガWiFi | 660円 + 2,695円 3,355円 | 無制限(300kbps) 100GB |
mineo + ポケットWiFi | ライトプラン + とくとくBB WiMAX2+ | 660円 + 3,784円 4,444円 | 無制限(300kbps)+ 無制限 |
スマホとポケットWiFiを併用するメリット
スマートフォンとポケットWiFiを併用するメリットについて、まとめてみました。
- テザリングと比較して通信速度がおよそ6倍速い
- 車にFire TV Stickを接続すればYouTubeやAmazonPrimeVideoも見られる
- 最高画質でも接続が切れることなくストレスなしで楽しめる
- スマホのプランを見直せば、合計料金が安くなり家計に優しくなる
スマホとポケットWiFiを併用するデメリット
スマホとポケットWiFiを併用する場合のデメリットをまとめてみました。
- スマホ以外にポケットWiFiの分だけ小物が増える
- 充電の必要な機器が1台増えることになる
- 月額料金の支払いがスマホとポケットWiFiの会社で分かれる
スマホとポケットWiFi併用の最安値プラン
スマートフォンは最低限のプランにして、ポケットWiFiはコスパのバランスが良いものを選択するという条件で比較した場合、スマホとポケットWiFiをセットで併用した最安値プランは、povoの基本プラン+ギガWiFiという組み合わせが格安になるようです。
povoは、月額基本料金が0円で、通話、SMSはそれぞれ使った分だけ料金が発生する従量課金制なので、ほとんどがLINE通話とか、Wi-Fi環境下でアプリを使った通話やメッセージのやりとりをする方であれば、おそらく最安値のペアになります。
まとめ
スマートフォンのテザリングに頼るよりも、ポケットWiFiとセットで併用するほうが良いということが分かりました。
ポケットWiFiとスマホをセットで併用するデメリットは、ポケットWiFi分だけ持ち物が増えることや、ポケットWiFiを充電する手間が増えることです。
逆にメリットは大きく、インターネットの通信速度が速くなり、家庭の通信費が結果的に安くなります。
併用するデメリットが気にならなければ、スマホとポケットWiFiをセットで併用するほうが、通信速度や費用面でのメリットが大きいといえそうです。
よくある質問
スマホとポケットWiFiを併用するメリットはありますか?
スマートフォンとポケットWiFiを併用するメリットは、以下の通りです。
・テザリングと比較して通信速度がおよそ6倍速い
・車にFire TV Stickを接続すればYouTubeやAmazonPrimeVideoも見られる
・最高画質でも接続が切れることなくストレスなしで楽しめる
・スマホのプランを見直せば、合計料金が安くなり家計に優しくなる
スマホとポケットWiFiを併用するデメリットを教えて下さい
ポケットWiFiとスマホを併用するデメリットは、次のとおりです。
・スマホ以外にポケットWiFiの分だけ小物が増える
・充電の必要な機器が1台増えることになる
・月額料金の支払いがスマホとポケットWiFiの会社で分かれる
おすすめのポケットWiFiを教えてください
求めるスペックによって異なりますが、コスパとスペックのバランスが良いポケットWiFiという定義でオススメのポケットWiFiであれば、クラウドWiFiでは「ギガWiFi」、WiMAX2+では「とくとくBB」になります。