カゴカキダイ
【沖縄本島のダイビングで撮影したカゴカキダイの水中写真】
入梅した沖縄本島の日曜日は朝から雨、雨、雨。
これでもかというぐらい、ずっと雨が降っていました。
沖縄本島のダム貯水率が例年より低いようなので、この雨によって上がると良いですね。これも必要な自然現象なのです。
写真は『カゴカキダイ』。
1枚目は静岡県の伊豆ダイビングで撮影、2枚目~4枚目は沖縄ダイビングで撮影したものです。厳密に言うと4枚目はタイドプールなのでシュノーケルで撮影していますが…
カゴカキダイは、サンゴ礁域や岩礁域の浅所で小さな群れを作って生息しているタイガースカラーの縦縞模様が入る魚。
え?横縞とちゃうの?と思われるかも知れませんが、魚は釣り上げた時に口が上を向いている状態を縦と見なすため、この場合も縦縞ということになるのです。
伊豆半島や紀伊半島のダイビングや磯遊びでは普通に見かけますが、沖縄本島のダイビングでは限定的な水域でしか見かけません。
学術的には、北緯20°付近より以北、および南緯10°付近より以南に分布するとされており、本州・四国太平洋沿岸では成魚はやや深所、幼魚は浅い岩礁域で普通に見られると言われています。
また、沖縄諸島については、主に水深-100m以深に多く生息しており、幼魚は養殖イケスの周辺で多く見られるとされています。
まぁ、あれこれ言っても伊豆ダイバーからすると普通種中の普通種なのですが、生息分布の違いにより、沖縄本島のダイビングではそこまで普通種ではないということです。
最後の写真はカゴカキダイの幼魚。
タイドプールの水面ギリギリの場所を泳ぎ回るので撮影を行うにはそれなりの時間と根気が必要ですが、それはさておき幼魚はやはり可愛いですね。
写真のカゴカキダイ幼魚の体長は1cmにも満たないおよそ7mm程度。
ちなみにタイドプールの場合は、タンクの空気残量や体内残留窒素を考えなくても良い代わりに、淡水と海水の比重が異なるためにユラユラ帯というか塩水くさびと言うか、ここの対処が重要となってきます。
カゴカキダイの外観特徴
カゴカキダイは、下記の様な特徴があります。
・左右の鰓膜が狭部前方で融合する
・体に5本の黒色縦帯がある
・側線は完全に尾柄まで達し、側線鱗数は56~60
・また、稚魚期にトリクチス期幼生を経ない
カゴカキダイの分布
カゴカキダイは、青森県~九州南岸の各地沿岸(大阪湾は幼魚のみ、瀬戸内海は伊予灘のみ)、琉球列島;朝鮮半島南岸、済州島、台湾、浙江省~広東省、ハワイ諸島、オーストラリア東岸・西岸、ニューカレドニア、ノーフォーク島からの報告がある。
和名 : カゴカキダイ(スズキ目カゴカキダイ科カゴカキダイ属)
学名 : Microcanthus strigatus
撮影日 : (写真成魚)2009年5月4日 (写真幼魚)2012年4月8日
撮影場所 : 沖縄本島西海岸
撮影水深 : (成魚)-2m (幼魚)-0.1m