サザナミハゼ
【沖縄本島のダイビングで撮影したサザナミハゼの水中写真】
昨日の午前中に前線が通過してからは冷たい北風と強弱のある降雨が続いている沖縄本島です。所謂、寒の戻りと呼ばれているものでしょうか。何れにしても自然なので仕方ありませんね。
この自然現象が何度か過ぎると、短い春を通り越して沖縄は一気に夏になります。なので、これは憂鬱な雨ではなく、恵みの雨と言えるかも知れません。
サザナミハゼはクロイトハゼの仲間
サザナミハゼは、膝丈程度の水深から水深-3m程度の河川河口域、死サンゴ片混じりのサンゴ礁域の礁池、礁原に生息するクロイトハゼ属の仲間です。
一枚目の真横からの写真などは、典型的なクロイトハゼの特徴を出しているように思えますよね。
サザナミハゼのペア行動
一夫一妻という制限を持ち、仲むつまじく見えるサザナミハゼのペアですが、実は機会があるごとにパートナーを変更するという研究結果が出ています。
この時は、狭い範囲にサザナミハゼのペアが多く生息していたので、半信半疑ながらも実験的に別れさせてみました。
すると、別れたペアの雌については近くにいる別の雄個体と新たにペアリングを行うではありませんか。
さらに自分たちのテリトリー内に、巣穴を幾つか持っていることも確認できた。
理由としては、自分たちの子孫を残すためにより良い環境を選択するという利己的な雌の行動が基盤になっているのではないかと思いました。
そのためには体が大きくて強い雄をペアとして選ぶ。その前提として現在のパートナーを遺棄するという、男性側からすれば切ない話ですが、自然界では多々あるようです。
同種で狭い範囲に生息するサザナミハゼ
沖縄本島では、1匹見つけるとその近くにウジャウジャと多く生息しているので観察・撮影は容易です。
また、学名・和名が付されたサザナミハゼの標本はすべて琉球列島からのものです。
サザナミハゼの外観特徴
頭に5本、体に4本の黄褐色縦帯形斑が走ること、体側ににぶい赤色楕円斑が5つあることが外観の特徴
サザナミハゼの分布
静岡県西伊豆、和歌山県、屋久島、中之島(トカラ列島)、琉球列島;西沙群島、西太平洋、トンガ諸島、オーストラリア北西岸からの報告がある。
和名 : サザナミハゼ(スズキ目ハゼ亜目ハゼ科クロイトハゼ属)
学名 : Valenciennea longipinnis
撮影日 : 2011年9月23日
撮影場所 : 沖縄本島西海岸
撮影水深 : -2m
※ 参考書籍 魚類の社会行動 (1)